コーチング
コラム

コーチングとコンサルティングの違いは?経営者の悩み相談に適した相手とは

2022.12.01

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資金繰り、事業の方向性、売上向上、組織作り、人材採用、人財育成…等々。企業経営者や会社の経営幹部は、日々、いろいろな経営課題に頭を悩ませていることと思います。

成長に行き詰まりを感じた時や、解決方法が見つからない問題に直面した時など、専門家に相談したいと感じることも多いのではないでしょうか?

しかし、いざどこかに相談しようと思っても、良い相手を見つけるのは簡単ではありません。

中小企業診断士、企業家ネットワークやコミュニティ、税理士、弁護士、会計士など、経営者の相談先として思いつく専門家はさまざまで、いったいどこに依頼したらよいのか迷ってしまうかもしれません。

このコラムでは、経営者の抱える課題を解決する手法として代表的な、コーチングとコンサルティングについて、それぞれの違いや共通点、選び方を解説します。

コーチングとは?

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「コーチング」とは、コミュニケーションの手法のひとつで、主にビジネスシーンでは、その人本来が持つ力を引き出し、成長を促すための人材開発を意味する言葉として用いられています。

一般にコーチングというと、企業などの組織において、マネジメント層が部下を育成する際などに導入するものを指しますが、このコラムでは、コーチングの中でも特に経営者や経営幹部を対象とした「エグゼクティブコーチング」に焦点をあてて、その中身を解説していきます。

コーチングを依頼した人に対して、コーチングを行う人を「コーチ」と呼びます。

コーチングは通常、依頼主とコーチの1対1で話しをすることですすめ、コーチは相手に対してあらゆる角度から質問を投げかけ、答えを促します。
「達成したい目標はなにか?」、「目的達成のための課題はなにか?」、「解決するために何が必要か?」、「なぜそう思うのか?」、「他の手法はないのか?」…。

問いかけを重ねることで相手の頭の中を整理させ、そして本来持つ可能性や能力を引き出し、成長に導きます。

コンサルティングとは?

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対して、コンサルティングを行う人をコンサルタントと呼びます。

コンサルティングでは通常、コンサルタントが課題に対する解決策を企画立案します。具体的な解決策を相手に提言したり、実際に立案した内容を実行したり、場合によっては成果を出して運用するところまでを請け負うこともあります。

戦略を練るために、コンサルタント自身が情報を集めて分析し、知識と経験を基に解決策を作り上げます。

コンサルティングとコーチングの違い:契約パターン

コーチングとコンサルティング3

コーチングもコンサルティングも、会社の社長や経営幹部といったエグゼクティブ層が、経営課題を相談したいときに真っ先に頭に浮かぶ候補のひとつでしょう。

それでは、コーチングとコンサルティングには、いったいどのような違いがあるのでしょうか?

まず、一般的な契約パターンをそれぞれご紹介します(下記は一般的なものについてのご紹介で、コーチング・コンサルティングを提供している組織・個人などによって、サービス内容や進め方にはそれぞれ細かい違いがあります)。

CONTENTS

  • 1. コンサルティングの場合
  • 2. コーチングの場合

コンサルティングの場合

コンサルティングでは、一般的に、どのような形で契約するかによって、提供するサービス内容が異なってきます

顧問契約:
期間を定めて顧問契約を結び、その期間内に、例えば1カ月に1回面談をする、電話やメールでの相談に応じる、などの対応をします。継続的にコンサルタントは依頼主と関係を作り、アドバイスをしたり解決策を提案したりします。

成果報酬型契約:
成果が数字で出せるものに対してコンサルティングを行い、それによって得られた成果の一部をコンサルタントが報酬として受け取ります。売上増加分の〇%、M&Aで譲渡価格の〇%など、事前に報酬のパーセンテージを決めて合意した上でサービスを提供します。

プロジェクト型契約:
特定のプロジェクトに対して契約を結び、そのプロジェクトに関する戦略立案や導入、実行などを引き受けます。参加するコンサルタントの人数や実働する時間などによって、報酬金額を決めるのが一般的です。

上記以外にも、ちょっとだけ軽く相談したい人を対象にした、1時間いくらといった契約や、ひとつのプロジェクトに関してプロジェクト契約を結び、そのプロジェクトが成功した場合にプラスで成果報酬を定めるなど、さまざまなケースがあります。

コーチングの場合

コンサルティングと異なり、コーチングの場合は、例えば6カ月間ひと月2回コーチング実施、といったように期間を定めて契約するのが一般的です。コンサルティングの顧問契約に近いともいえるでしょう。

ただ、これは前述したように、コーチングの中でも社長や経営幹部が経営課題を誰かに相談する(エグゼクティブコーチングを依頼する)ケースを想定したものです。

例えば企業がマネジメントにコーチング技術を習得させたい場合、「コーチングを受ける」だけではなく「コーチングについて学ぶ」などさまざまなサービスを受けられる場合があります。

コンサルティングとコーチングの違い:解決へのアプローチ

コーチングとコンサルティング4

コンサルティングとコーチングは、課題解決に向けたアプローチが異なります。

例えば、ある企業の経営者が、「社員がすぐに辞めてしまい、残った社員もなかなか成長しない…」という悩みを抱えていたとしましょう。コンサルティング、コーチング、それぞれどのように解決策を探るのでしょうか。

CONTENTS

  • 1. コンサルティングの場合
  • 2. コーチングの場合

コンサルティングの場合

コンサルタントは依頼主からの相談内容に応じて、解決のために必要な情報収集を行います。

例えば今回の「社員がすぐに辞めてしまう」という課題に対しては、離職までの在籍日数、離職率、退職理由や退職時のヒアリング内容、退職者の属性、現在の社員の満足度など、あらゆるデータを集めて分析します。

その分析結果に基づき、コンサルタントとして持つ専門的な知見を活かし、社員定着率を上げるための施策や新規採用の計画など、戦略を立案して提案します。
社員が成長しないという課題に対しても、同じように情報収集し、社員の育成プログラムなどを作成します。

人材育成に特化したコンサルタント会社だと、すでに多様な研修メニューやプログラムを持っていて、そこから目的や料金に即したものを提案することもあります。
また、戦略立案だけではなく、実際の採用実務や研修の実施など、コンサルタントが総合的にサポートする場合もあります。

コーチングの場合

コーチングはコンサルタントとは異なり、通常、コーチ自身がその企業の戦略や企画を作ることはありません。

コーチは依頼主と1対1でセッションを行い、コーチングスキルに基づいた質問を投げかけます。コーチからの問いかけに答えることで、依頼主(今回のケースでいくと企業経営者)は頭の中を整理し、目指すゴール、そこに向けた課題、課題を解決するために必要なことなどを洗い出していきます。

例えば採用や育成といった個別課題を解決するためのアプローチも、「どのような会社にしたいか?」、「そのためにどのような社員が必要か?」、「現在の課題は何か?」、ということを経営者自身が明確にし、自身が決めた解決策を具体化していくという流れになります。

目標を設定し、解決策を作り上げ、実行するのはあくまで依頼主であり、コーチは依頼主自身が課題を整理し解決策を実行できるよう導くのが主な役割です。
こうした違いから、例えば、「依頼主の中にある答えを引き出すのがコーチング、コンサルタントの中にある答えを与えるのがコンサルティング」などと表現されることもあります。

個別の課題だけに目を向けると、コーチングはコンサルティングに比べて解決に時間も手間もかかるかもしれません。

コーチは経営者に気づきを与え、経営者としての成長を促すことが役割です。
そして、個別の課題に限らず、企業を経営する上で必要な考え方や解決する力が身につくよう、時間をかけてサポートしていきます。

コーチングとコンサルティングの共通点

コーチングとコンサルティング5

さまざまな違いのあるコーチングとコンサルティングですが、一方で、共通する点もあります。

CONTENTS

  • 1. 大きな目的は同じ
  • 2. 国として定められた資格はない

大きな目的は同じ

コーチングもコンサルティングも、アプローチや関わり方は異なりますが、依頼主の抱える課題を解決するという目指すゴールは同じです。
また、コーチングやコンサルティングを提供している組織や個人によっては、コーチングのセッションで、コンサルティングのようにコーチの知見に基づいたアドバイスをしたり、コンサルティングでヒアリングする際にコーチングの手法を取り入れたりしているところもあります。

国として定められた資格はない

コーチングを行う「コーチ」も、コンサルティングを行う「コンサルタント」も、日本の場合、国として定められた資格ではありません。
そのため、その肩書を名乗るために必要な要件はなく、誰でもコーチやコンサルタントとして活動することが可能です。
(注:コンサルタントの一種ともいえる、職業選択のアドバイスなどを行う「キャリアコンサルタント」、労働者の安全衛生水準向上に向けた指導などを行う「労働安全コンサルタント」・「労働衛生コンサルタント」は国家資格で、試験に合格し、登録する必要があります。)

実際に相談先を決める際は、実績や利用者の声などを参考にして、コーチ・コンサルタントのスキルや実力を見てから依頼することが必要です。

国家資格ではありませんが、コーチに関しては、コーチングを実施する団体が独自の基準を設けて、コーチとして認定している民間資格もあります。
また、フィナンシャルプランナーや中小企業診断士など、「コンサルタント」「コーチ」という名称はつかないものの、業務に役立つ資格を持ち、コンサルタントやコーチとして活動している人も多くいます。

経営者が相談するなら、どちらが適しているか?

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ここまで、コーチング、コンサルティングそれぞれの特徴、違いと共通点をみてきました。

さて、経営者が経営課題について相談するとしたら、いったいどちらが相談先として適しているのでしょうか?

コーチングもコンサルティングも、それぞれに良い点や強みがあり、一概にどちらが良いと・悪いとは言えません。

一般的には、ある程度の時間をかけて経営者として成長していきたいとき、会社全体の目指す将来像を明確にし、特定の分野ではなくあらゆる角度から課題を整理したいとき、主体的に解決に向けた戦略を練りたいときなどは、コーチングがコンサルティングよりも向いているといえるでしょう。

急いで解決したい課題があるとき、また特定のはっきりした課題があるとき、解決に向けた戦略立案、施策作成まで依頼先にお願いしたいときなどは、コンサルティングに依頼する方が適していると考えられます。

とはいえ、個別企業の事情、コーチやコンサルタントとの相性などによっても、向き不向きが出てきます。また、コーチングやコンサルティングを提供している組織や個人によっても、サービス内容や料金が異なってきます。

依頼する目的や支払い可能な費用、スケジュールなどを明確にして、自身にあった場所に相談することが大切です。

可能ならば、コーチングの無料体験や、コンサルティングのスポット契約などを利用し、自分に合っているか、求めている効果が得られるかなどを確認すると安心です。

コーチングとコンサルティングの違いを理解し、自分にあった相談先を選び、経営課題を解決をしましょう。

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